偏見

2004年9月13日
ずっと前の事だ。
電車に乗っていたら、お婆さんが優先席の前に立っていた。
優先席には茶髪のニイチャンが座っていた。
そのニイチャンはブーツなんてドカっと脱いで
くつろいでいる訳ですよ。

車内の人達はヒソヒソと陰口をいう。

ニイチャンはずっと座っている。
お婆さんはずっと立っている。

数駅が過ぎてニイチャンが動いた。
そしておもむろにブーツを装着…
ぇ? 装着?

それはブーツじゃなくて義足でした。

ニイチャンはびっこを引きながら下りていった。

世間的には「優先席はお年寄りの席」というイメージが有る。

でも実際は「お年寄りと体が不自由な人の席」なわけだ。

そして体が不自由だったり具合が悪い人の中には、
外見ではそうであると判断できない人も多いわけだ。

ニイチャンはこれからも周囲から白い目で見られるだろう。
もしかしたら、ニイチャンを見て下りていった人の中に
学校の先生等がいたりして、教室で悪く言われていたかも知れない。
「今日電車の中で優先席になんたら」
なんて話を、私はもう10回以上も教師から聞いたし
他の人もそうだと思う。

でもニイチャンは自分の正当な権利を行使しているだけなのだ。

よく、道徳観念とかの話で、若者と老人の話を聞くが
そのたびにこのことを思い出したりする。

私は偏見から、無実の人を悪く思っては無いだろうかと…

他人の事情は見ても分からない。
しかし人は自分の価値観のみで他人を評価する。
これが非常に危うい事だと、たまには思い出したくて書いてみる。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

この日記について

日記内を検索